懐かしい人

2004年9月28日
ここには書いた事無かったけど、実はネトゲをやっている。

1個ではなく、いくつかやってきた。

最近、一年半位前に辞めたネトゲに久々に復帰した。

現実には知り合いの比率は男女で6:4程度だが、
ネットゲームの場合、その比率は一気に変わる。
3:7位の比率になるだろうか?

別に女ったらしだとか、ネットゲーでナンパ、なんて事は考えてはいない。
彼女も居るし、浮気しようとも思ってない。
口調が穏やかな人ばかりを選んで人付き合いしてたら、自然とそうなってしまった模様
どうやら、俺の現実からの逃避に原因がありそうだ。

俺の知り合いには、自分の過去もあり、正直、あまり温和な人は居ない。
そして、本当の所は穏やかな連中と一緒に居たい。
言葉遣いだけが荒い連中ならまだいいし、それでも気の合う奴は居るが、
精神的疲労が溜まる事が少なくない。
ネットゲームだと最初は性別、性格問わず初々しく見ていて気持ちがいいが、
やり慣れてLvがあがってくるとそれぞれに、良く言えば個性が出てくる

厨、という表現で総称される連中も多くなる。
中でも俺は最強厨という部類が嫌いだ。

彼らは、ただひたすらに自己のキャラの強さを求め、
それを誇示したがる。
自分の装備や財産を自慢するだけの自慢厨ってのもいるけど。
それは次第に彼らの言動どころか精神的にも影響をしはじめ、
以前とは別人のようになってしまう。
実社会で虐げられていたり、金銭、立場的にコンプレックスを抱く人も
この部類になりやすいらしい。

俺がそのネトゲを辞めたのも、始めた頃に出来た、本当に最初の仲間達が
ほぼ半数以上がそういう風になってしまったから。
彼らに賛同しかねる残りの仲間と俺は、
彼らの側を離れたり、そのゲームを去った。
もともと穏やかで、自分達の趣味の話や本の話題、世俗の事等を話し、
今考えるとネトゲではありえない会話をする、そんな連中だった。
 
 
 
 
彼らとは別に一人、凄く腹を割って話せる人がいた。
彼女の事を当初、俺は男だとばかり思っていて。
豪快というか、(性格的に)男前と言うか・・・
一人称を使いたがらないのもそれに気が付くのが遅れた原因だろう。
凄く、気兼ねなく話せる相手だった。
女だと知ったのは知り合って半年位経ってから。
そのゲームはレアアイテムが物凄く出難くて、かつかなり運次第という
ゲームだったんだけど、俺は運がなくどちらかというと
貧乏な部類だった。彼女もその1人。

普通の会話もするけど、お互い、
「今日はルビーが出たよ」
「おぉ、よかったねぇ」等という会話も多かった。
俺はつまらない所で負けず嫌いなので、彼女に負けないように
寝る時間を削ってレア狩りしたり。
でもある日を境に、二人には決定的な差が出始めていて。
俺は努力する時間は増えても収穫は増えず、
逆に彼女は労せずに色々出るようになり。
俺の睡眠時間は更にちょっと減った。

丁度その日はタイミングが悪かった。
最初に書いた初期の知り合い達のせいで、ギルドに不和が生じていて、
役職が課されていた俺や数人は、頭を抱えて色々議論していたりした。
そのギルドの中に一人、物凄く運がいい奴がいて、更にそれに拍車をかけた。
「今日は○○と××が出た」
「△を買って□を売ったら、**の儲けが出た」
そんな会話ばかりを彼がするようになり、それに参加する者、
ついていけなくなる者、くっきり差が出始めていた。

確かに、価値が高い物が出れば嬉しい。それを話したくもなるだろう。
はじめのうちはみんなその事に祝いの言葉をかけた。
だけどあまりにそれが続けばそれは嫌味や単なる自慢に聞こえ、気分も良く無くなってくる。
自分もその例外ではなく・・・

そして自分の変化にも苦悩している時期だった。
あまり強さや財産にこだわろうとしたくないと思いつつ、
周りとの差を埋める為にレア狩りにプレイ時間の半分もしくはそれ以上を費やす日々。
自分の行動と考えの矛盾に苛々してた

その日も彼の自慢が延々と始まり、
見るに見かねた数人で、彼に回りに聞こえない場所で注意をしている時だった

例の彼女から個人宛のチャットが来た。
「どう?頑張ってる?今●●が出たの」
「それにね、今日は他にも色々出て・・・」
嬉々として語る彼女は止まらず、
苛々を抑えつつ穏やかな言葉で注意をしていた俺には、我慢の限界がきてしまい、
言ってはいけない事を言ってしまった。
「自慢か?」と。
元々2人で話す時は敬語も使わず、豪快に話していたが、流石にこれにはカチーンと来たらしく、
当然口論になり、罵りあいにまでなった。
口論の最後に、
「お前はいいよ。俺の3、4分の1以下の労力で俺の十倍以上の成果だもんな。そりゃあ自慢したくもなる。経験値稼ぐ暇もなく毎日何時間もやってる俺はバカみたいだな」
と言った直後から彼女は黙り、
俺は少し経って個人宛のチャットをoff(つまり会話遮断)しようとした直後、
「ごめん言い過ぎた。謝る」
と言われたが、俺はそのままoffにした。

その後、俺がそのネトゲを辞めるまで半年位あったけど、
結局その後一度も話す事は無かった。
すれ違っても、お互いにちょっと意識はするものの、言葉は出ず。
俺もまだまだ精神的にガキだったし、
何より、あんな日のあんなタイミングでなけりゃ、素直に喜び、祝いの言葉の一つもかけただろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして今日、街の目立たない所にひっそりと放置している彼女をみつけた。
何度検索しても見つからず、調べてみたら課金切れしていたのに。
素直に、嬉しかった。

今度動いている時にみかけたら、声をかけよう。

そして、あの日の事を謝ろう

また以前のように話せるだろうか

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